authentic – unchiku- 1

この写真はauthentic productsのパンツ生地を織るのに使われてる「シャトル織機」の「シャトル」なる部分です。

今回はいつものアイテム紹介からちょっぴり趣向を変えて、今秋よりスタートした「authentic products」のアイテムの一つ、デニムについて素材や染めなどをご紹介したいと思います。

「authentic products」のデニムは「本藍」「ジンバブエコットン」のオリジナルセルビッチ生地を使用してます。

本藍

「藍」には世界各地いろいろな「藍草」が存在します。その中から厳選した「藍」を発酵させ染料にしていくのですが、日本酒や醤油を作る蔵元のように「発酵」させる作業には、職人の手作業(技術)が必要とされます。その作業は70~80℃にもなる室内で、発酵によるアンモニア臭の中、行われています。そんな重労働があり本藍の染料が作られています。ちなみに、一般にインディゴとは合成インディゴとも言い、藍染の藍とジーンズに使われる合成インディゴは物質のレベルでは限りなく同じと言われています。これは昔ドイツの会社が藍の組成を分析して全く同じ分子構造を合成しました。ですから、藍を発酵させて取れる本藍にどうしても混ざってしまう不純物を除けば、(物質レベルでは)全く一緒なんだそうです。なのですが、私達は合成インディゴには無い、本藍独特の色合い、深み、天然の良さを選択してみました。

アフリカ大陸の大自然の恵みを受け育ったジンバブエコットン。摘み取りや綿カスの取り除きなどの作業にあえて機械を使わず「手作業」でする事で繊維を傷つけず、不純物の混入が少なく、白度に優れ、繊維の均一度が高く、光沢やソフト感にあふれる原綿が作られます。その原綿で作られる糸は繊維長が「細く」「長く」綱ぎ目の少ない、丈夫なムラ糸なので、ブランド綿の中でも最高級と言われています。

染め

上記の糸を数百本ずつ束ね、染料(藍)を入れたプールのような容器の中に入れては出して、入れては出してを繰り返し、徐々に浸していきます。染料(藍)に浸されたコットンの糸は最初は赤茶色に染まり、空気中に出された時に酸化して青に変化します。この浸ける回数によって青の濃度が濃くなっていきます。この手法は染料が芯まで染まらず、履き込むうちに独特なアタリ、タテ落ちが表現出来ます。因みに今回のデニムは最高濃度で染めています。

セルビッチ

デニムだけに限らずauthenticのボトムスは全てセルビッチ(耳付き)の生地を使用してます。セルビッチの生地は旧式のシャトル織機で織られていて、TOP写真のシャトルがガシャン、ガシャンと手織りのハタ織機のように往復し、ヨコ糸を織り込んでいくのですが、1台の織機で1日25mから30m、パンツにすると約10本分しか織り上げる事が出来ません。さらに、織機のセッティングに高い技術が必要な事や、技術開発による新型織機の出現により、旧式の生産効率の悪いシャトル織機の数は年々少なくなり、この生地でのモノ創りにはたくさんの手間と時間が掛かってしまいます。そして、この生地で作られた製品は洗うたびに「ムラ」や「ゆがみ」が出ますが、それが独特な「温かみ」や「手作り感」を生み、「表情のある服」になっていきます。今回私たちは「authentic prducts」をスタートするにあたり、効率化が優先される世の中で「モノ」の良さを優先したく、その「モノ」の良さが長く着る事に繋がり、長く着る事で「いいモノ」が味わえるって事に繋がる、と考え、セルビッチ生地を選びオリジナルで作りました。

と、ここまでだいぶ長い説明になってしまいましたが、こういった感じでauthenticのデニムは作られています。ぜひ店頭にて我々や職人さんの想いやこだわりが詰まった一本を体験してみて下さい!

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