僕らが知らないスタジオオリベ Vol.1 

 

 

僕らが知らないスタジオオリベ

Vol.1  Yoshitaka Kusanagi

旧 瀧定大阪 / 現 スタイレム

 

STUDIO ORIBEはブランド立ち上げから今年で20年。

 

代官山でスタートし、新しいものを追求し続けた10年

5型に絞った商品構成で、鎌倉を拠点に

定番の良さを伝え続けた10年。

 

また次の新たなる10年に向けて走り出す前に、当時を知らない

入社7年目、若手とはもう言えない私、波瀬がさまざまな角度からORIBEの歩んできた道のりを紹介する当企画。

 

1年を通して発信をする予定なので、ぜひお楽しみに。

 

今回まずお話を伺ったのは当時からスタジオオリベで使用していた素材の多くを提供していた 瀧定大阪 草彅 祥貴さん

 

素材だけでなく製品なども扱う総合商社である同会社で、草彅さんは当時 被服生地のカジュアル部門に所属していたそう。

 

「初めて自分と感覚の合うお客さんに出会ったことが印象的だった。」と当時を懐かしそうに振り返ります。

 

草彅
”初めは直接購入という形ではなく、間に繊維商社を通しお付き合いが始まりました。

 

納品させてもらった素材が頻繁に追加注文が来るようになり、気になって購入元を訪ねたところSTUDIO ORIBEの存在を教えてもらいました。

 

そこからこういう商品を好むようであれば他にもこんなものがありますよと。紹介をさせてもらえるようにお願いをしたのがきっかけです。

 

それからはもうしょっちゅうですよ。出張で毎週3日は東京に出て来て、多いときには同じ日に3回通ったこともありましたね。

 

当時自分が30代前半で着たいものや感じたものを共有できる初めての相手で、自分の想いを伝える場所、一緒にモノを作らせてもらっているという感覚でした。

 

そういう意味では、自分の商売の原点とも言えますね”

当時の生地メーカーの中ではおそらく最大手ではなかったかと、生産を担当している鈴木さんは語ります。

 

鈴木
”瀧定と言えば当時は自分たちのような小規模のメーカーは相手にしてもらえないと思っていたビッグネームの会社でした。

 

しかし、その会社の営業さんが来るということで自分たちも盛り上がったことを憶えています。

 

実際、瀧定の素材を取り扱うようになった時に家族から褒められましたしね”

草彅
”2001年当時、ちょうどストレッチ素材というものが市場で一般的になってきたかな?という頃でした。

 

当然レディースの方が早くその流れはあったのですが、メンズに関しては選ばれることもほとんどなく、社内でも「こんなビヨンビヨン伸びる生地、男が履くわけがない」という認識が強かったことを今でもハッキリと憶えています。

 

でも僕自身は、女性にストレッチ素材が選ばれるのであれば、絶対的に同じ人間である男性にも需要はあるはずだと。

 

ファッションという面から考えると間違いなくレディースからメンズへ流れていくように、素材も間違いなくその流れに乗るはずだという確信がありました。

 

そうして取り組みを始めたことから徐々に自社のラインナップも増え、ストレッチ素材というものがメンズの市場にも受け入れられていったように思います”

しかし、それなりに苦労もあったそうで

 

草彅
”起毛ひとつでいえば、先に起毛するのと、生地を染めたあとから行う後起毛では仕上がりのアジが全然違います。大体の生地で言うと先に起毛して生地を後から染めたほうが、洗えば洗うほど素材映えする生地が多いです。

 

しかし先起毛の生地は染める前、つまりは生地が白い状態で起毛をしなければいけないので、起毛の具合が染めた後でなければ分からない。

 

工場ではローラーにやすりを付けたような物に、白い生地を通して起毛させるのですが、ローラーの中心部と端っこの方では微妙に速度が違うんです。目では同じようにまわっているように見えるのですが、生地に対しての圧のかかり方が違い、起毛の具合に差が出る場合があるんです。

 

そのため、染めた時の色の入り方が同じ生地の中で若干変わり、染ムラが出る場合があります。微妙な差でもあるため、工場で縫っている時に分かることもしばしば、、その点後起毛は起毛の具合をその都度確認が出来るので、言いようによっては楽なんです”

草彅
”また染色に関しても、例えば工場が10社あればそれぞれの特色もあり、同じように染めても全て上がり方が違う。そういう意味では素材をどこの工場で加工を行うかを選定することが重要であり、特に気を遣った点でしたね。

 

工場が廃業すると、その工場のアジを再現することが他の工場では困難。特にオリベさんの場合は定番として商品を扱って頂いていたので、工場が変わったとしてもいかに同じように作るのかが大変でした。

 

BEGとかKHKに関しては特に難しく、そんなの簡単にレシピ通りに染めれば作れるでしょと思いがちだけど、ほんと色が合わないんですよ、泣きそうになるくらいね。。

 

生地の縮率に関しても同じで、同じ原料を同じパターンを使って生地を織ったとしても、生地のテンションの張り方などの違いから表面的な数字では同じでも
実際の上がりに差異が出る場合もありました。

 

実際に定番で使っている素材で縮率がいつもと違った場合があって、「そこはなんとかー!」って田村さんに泣きついてお願いしたこともありましたね”

 

また何よりも自分が嬉しかったことが、オリベのパンツを履くと男性でもヒップのラインが美しくなった事だそう。

 

草彅
”特に出会った中で一番衝撃だったのはDカンパンツ。

 

僕は野球をやっていたのでお尻が大きくなかなかカジュアルパンツでお尻がはまるものがなくチノパン・デニムくらいしか履かなったんですが、初めてDカンパンツを履かせてもらった時に、とにかく収まりが良かった。


毎シーズンほぼ全色買わせてもらっていたので、多分、滋賀県一履いていると思いますよ”

塩谷

”そこまでの人はいないよね笑

 

肌触りや耐久性は勿論、パンツに使用する素材に関しては特に可動域の多い腰回りを支える”コシ”のある素材が必要でした。

 

自分たちの商品が「美脚パンツ」とまで呼ばれた裏側には間違いなく草彅さんとの出会いがあったからだと思っています”

ここから昔に戻ったように、男性のヒップライン談義で盛り上がりますが、、今回はこの辺で。

 

新しく揃ったNEW STUDIO ORIBEもスタートしております。
明日 3/9からは 全国で”L-POCKET FAIR”も始まりますので、ぜひみなさんチェックしてくださいね。

 

草彅さん、ありがとうございました!

 

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